20241206
「イーロン・マスク」を読んだ。
スティーブ・ジョブズと同じ著者によるイーロン・マスクの伝記。適度に著者の意見も差し込まれていて助かる。中盤のスペースXやテスラの詳細な話については若干ダレたが全体的に楽しく読めた。
彼を彼たらしめる要素というのは不必要なまでにリスクを好む性質とSFの影響による壮大なビジョンなのだろうと理解した。
やっぱりXの話は周りで突然の仕様変更の連続に苦労している人たちをみてきているのもあって特におもしろかった。
彼を知ることは今後の仕様変更の方向性を知る上でも重要だと思う。GoogleのAI開発による安全性の懸念から非営利組織としてOpenAI立ち上げた経緯などを知っておくとGoogleに無尽蔵にデータを渡さないためにも大規模なポストの取得に制限がかかることは必然だったなと思う。また今後も彼がXドットコムの影を追っていることは意識していた方が良いと思った。
なぜこれまで結果を残してきた彼がXに関してはクソなのかという疑問については、Xの買収はちょうど他の会社の落ち着いていて暇でおもしろそうだから買っただけで彼に明確なビジョンがないということ、Xはテスラなどと違って中心的な問題が純粋なエンジニアリングではないために彼の経験、方法論が通用しないことであると納得した。
結局SNSの難しさというのはモデレーションにあるというのはbluskyの詳細を追っていた時にも感じていたことでもある。またこのあたりの議論については日本とアメリカではかなり温度差があるなと感じた。最近の兵庫県知事や都知事選を踏まえてSNSのプレゼンスは上がっていることを感じるがまだテレビに比べて…というようなレベルの話ばかりでレコメンドのアルゴリズムやそれによるエコチェンバーなどまで踏み込んだ議論はあまりみかけないよな。